四国遍路の基礎知識
四国の霊場
四国霊場は、
阿波の国・徳島県の霊場が「発心(ほっしん)の道場」
土佐の国・高知県の霊場が「修行(しゅぎょう)の道場」
伊予の国・愛媛県の霊場が「菩薩(ぼさつ)の道場」
讃岐の国・香川県の霊場が「涅槃(ねはん)の道場」
と、人生にたとえられています。
発心の道場 阿波の国(徳島県)
渦潮と大鳴門橋で知られる四国の新しい玄関口・鳴門市から四国霊場八十八ヶ所巡りは始まります。
秘められた伝説と歴史とロマンに満ちた阿波の国は発心の道場です。
お遍路さんは、一番札所(霊山寺)から大願成就を祈って、長い修行の旅の第一歩を踏み出します。
発心とは、悟りを求めて仏道を行おうとする心を持つことで、この道場で巡拝者は、初心に戻って仏に帰依する心を養うことになります。
第6番 安楽寺
修行の道場 土佐の国(高知県)
黒潮が生んだ男性的な土佐気質がおりなすドラマティックな土佐の国。
四万十川に近い足摺岬と青年弘法大師が修行した室戸岬はともに霊地とされ、その雄大な大自然の中であらゆる束縛から解放されて、静かに自分を見つめなおすことができます。
土佐の国(高知県)は、霊場(札所)の数が少なく(16寺)、霊場間の距離も長いため肉体的にも厳しいが、仏道を身につけて善行を積むといった精神的修練が重要とされています。
第31番 竹林寺
菩提の道場 伊予の国(愛媛県)
長い海岸線と西日本最高の霊峰石鎚山(標高1,982m)、豊かな風土に彩られた優美の地伊予の国は、中世から時代と共に香り高い文化を育んできた。
この国では、自我の心が次第に浄化され、他を思いやる心が目覚める菩薩の行の実践を確かめます。
菩提とは、道、目覚め、知などを意味し、これまでも道のりから、教え・求道の意味やその深さなどをこの道場で知ることになります。
第46番 浄瑠璃寺
涅槃の道場 讃岐の国(香川県)
発心の道場に始まる幾山河の遍路行は、修行の道場、菩薩の道場を経て涅槃の道場へ打ち進みます。
巡拝者は、すべての煩悩を打ち破り、解脱の境地に導かれ、第88番結願所大窪寺で満願成就となります。
第85番 八栗寺
四国遍路が終わったら
四国遍路が終わる(結願)と、さらに高野山奥の院(和歌山県)を参り大願成就するとされています。
心の旅は終わり、人生への希望が見えてきます。
四国遍路は、徳島県23ヵ寺、高知県16ヵ寺、愛媛県26ヵ寺、香川県23ヵ寺、合わせて88ヵ寺、約1,400キロの旅です。
この霊場は、四国山野にひらかれた心と体の修行の道場で、88の煩悩を除き88の功徳をもたらすといわれています。
弘法大師は、一本の金剛杖によって常に遍路を見守り、88ヶ所の結願へと導いていかれます。
四国遍路は、徳島県鳴門市の第1番霊山寺から香川県さぬき市の第88番大窪寺まで、ほぼ四国の海岸線に(なかには、山の中へ入っていくところもありますが)沿ってまわります。
街の中にあるお寺、、狭い山道を登っていく山の中腹にあるお寺、長い階段のあるお寺、広い境内のお寺、こぢんまりしたお寺、古めかしいお寺などなどバラエティの富んでいます。
また、わりとかたまってある地域と、ポツンと離れているところがります。
海岸線を歩き、峠を越えて、山あり、海あり、難所あり、ロープウエイに乗って行くところあり、いろんな景色に出会えます。
もちろん、四国各地のおいしいものにも出会えますよ。