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四国の霊場八十八ヵ所

阿波の国・徳島県の霊場

第5番 地蔵寺(じぞうじ)

第5番地蔵寺仁王門

奥の院の羅漢堂には怒り、笑い、悩み、泣き顔という、人間のさまざまな表情を持つ等身大の彩色された五百羅漢が立ち並んでいます。
この地蔵寺は土地の人々から「羅漢さん」の呼び名で親しまれています。

羅漢堂は、コの字型の建物で、中央に釈迦如来、左に弥勒菩薩、右に弘法大師を祀った堂があり、それを回廊がつないでいます。

地蔵寺の始まりは弘仁12年(821年)、嵯峨天皇(在位809~823年)の勅願により弘法大師が開きました。

弘法大師が刻んだ本尊の勝軍地蔵菩薩は高さ一寸八分(約5cm)、鎧を身につけ、馬にまたがった勇ましい姿です。

のち、宇多天皇(在位887~897年)の時代に、浄函上人が熊野権現の神託によって延命地蔵を刻み、大師作の小仏をその胎内に納めたといいます。

本尊が甲冑をつけた勇ましい姿であることから、武士の信仰が篤く、源頼朝をはじめ多くの武将達に篤く信仰されたと伝えられています。

地蔵寺本堂

最盛期には300の末寺と26の塔頭を持つ大寺院であったが、天正10年(1582年)に兵火に遭い焼失しました。
江戸期になって本堂、大師堂、方丈などが再建されました。

また、江戸の時代には全国に勧進して羅漢堂も建てられています。

五百羅漢を安置したこの堂は、大正4年(1915年)に焼失しました。
現在の建物は、大正11年(1922年)に再建されたものです。

境内には、樹齢八百年を越えているという大銀杏や水滴と瀬戸物の筒を利用し、澄んだ音色を聞かせてくれる水琴窟だあります。

地蔵寺境内の大銀杏

第5番 無尽山 地蔵寺(むじんざん じぞうじ)

徳島県板野郡板野町羅漢字林東5
JR高徳線板野駅から約5km
徳島自動車道・藍住ICから県道1号、県道12号を板野・上坂方面へ。羅漢交差点を右折して県道34号を。約20分
御詠歌 六道の能化の地蔵大菩薩 導きたまえこの世後の世
本尊/勝軍地蔵菩薩 宗派/真言宗御室派 開基/弘法大師 宿坊/なし
次の第6番札所・安楽寺まで約5km、車で約15分