四国の霊場八十八ヵ所
伊予の国・愛媛県の霊場
第43番 明石寺(めいせきじ)
明石寺は、欽明天皇(在位539~570年)の勅願で、円手院正澄という行者が千手観世音菩薩を安置し、七堂伽藍を建立し開基したと伝わっています。
後に弘法大師が嵯峨天皇の勅願により再興し、四国霊場に定めました。
建久5年(1194年)、源頼朝がその昔、平清盛から命を救ってくれた命の恩人である池の禅尼の菩提を弔うために阿弥陀如来を祀りました。
これを期に山号を「源光山」と改め、以後多くの武士が帰依する寺になりました。
明石寺は、山あいにある静かなお寺で、寺の歴史は古く「あげいしさん」の名で親しまれています。
現在は、「めいせきじ」といいますが、もともとは「あげいしじ」でした。
「あげいし」という名は、その昔、若くて美しい女神が願をかけて、深夜に大石を山に運んでいたら、いつの間にか夜が明けてしまいました。
女神は昇る太陽に驚き消え去ったという話を詠った御詠歌の「軽くあげ石」からついたと伝えられています。
8月の縁日には、西日本各地から、多くの人々が集まり終日賑わいを見せているそうです。
本堂外陣の天井絵は、信徒が奉納した絵馬で、鳥や亀、花、竹といった華やかな彩りの絵が描かれています。
第43番 源光山 明石寺(げんこうざん めいせきじ)
愛媛県西予市宇和町明石205
JR予讃線卯之町駅から約2km
松山自動車道・西予宇和ICから西予市宇和町方面へ。約5分。
御詠歌 聞くならく千手誓いの不思議には 大盤石も軽くあげ石
本尊/千手観世音菩薩 宗派/天台寺門宗 開基/正澄上人 宿坊/あり(要予約)
次の第44番札所・大宝寺まで真弓峠まわりで約88km、約1時間50分