四国の霊場八十八ヵ所
伊予の国・愛媛県の霊場
第64番 前神寺(まえがみじ)
前神寺は、霊峰石鎚山(標高1981m)のふもとに建つお寺です。
奈良時代の初め役行者小角(えんのぎょうじゃおづの)が開基したと伝えられています。
役行者小角が石鎚山頂で修練中に蔵王権現が現れたといいます。
上仙道人が山頂への道を開いたのをきっかけに、桓武天皇(在位737~806年)が病気平癒を祈願し、それが成就したので、七堂伽藍を建立し、金色院前神寺と称しました。
後に弘法大師が2度入山し、求聞持法を修め、四国霊場に定めました。
前神寺は石鎚山の東遙拝所として、神仏習合して石鎚神社の別当寺を努め、石鎚信仰の中心として多くの信仰を集めました。
皇室との縁が深く、歴代天皇が帰依し、仏像や教典を奉納し、寺を保護してきました。
慶応4年(1868年)3月の神仏分離令により、廃寺になりましたが、明治11年(1878年)現在地に移り再興されました。
前神寺は、真言宗石鉄派の総本山です。
毎月20日の「権現様縁日」では、三体の権現様を御開帳します。
背中をこの像にこすりつけると、病気が平癒するという言い伝えがあります。
境内の掲示板に次のような貼り紙がありました。
子供しかるな
自分の通って来た道
年寄り笑うな
自分の通って行く道
くちつつしめば (小さい口の字)
いのちながれ (命の縦方向が長い字)
はらたてず (腹を90°時計回りに横にした字)
きはながく (氣を縦に長く書いた字)
こころはまるく (心という字を丸く書いた字)
石鎚の
麓の寺の
秋遍路
(白象、句碑)
御百度や
花より出て
花尓入
一茶
第64番 石鉄山 前神寺(いしづちざん まえがみじ)
愛媛県西条市洲之内甲1426
JR予讃線伊予西条駅から約4km
今治小松自動車道・いよ小松ICから国道11号を西条市方面へ。約25分。
御詠歌 前は神後ろは仏極楽の よろずの罪をくだく石鉄
本尊/阿弥陀如来 宗派/真言宗石鉄派 開基/役行者小角 宿坊/あり(要予約)
次の第65番札所・三角寺まで約47km、車で約1時間