四国の霊場八十八ヵ所
讃岐の国・香川県の霊場
第66番 雲辺寺(うんぺんじ)
雲辺寺は、弘法大師が16歳のとき、寺を建立するための材料を求めて登山したとき、霊を感じ、ここに堂宇を作ったといいます。
弘法大師は数年後の大同2年(807年)、嵯峨天皇(在位809~823年)の勅願によって再度登山し、千手観世音菩薩を刻み本尊として安置し、四国霊場に定めました。
以後は、僧侶たちの学問を修める場として栄え、鎌倉時代には七堂伽藍をもち、12坊、末寺8カ寺を擁する大寺院となりました。
阿波、伊予、讃岐との関所でもありました。
四国霊場で4つある最後の「関所寺」ということになります。
雲辺寺は標高927mの雲辺寺山の頂上にあります。
山頂は徳島県と香川県の県境になっていて、境内は徳島県になります。
雲辺寺は、四国霊場の中では一番の高い所にあるお寺で、「四国高野」とも呼ばれ、歩いて2時間かかる遍路泣かせの「遍路ころがし」(難所)だったところです。
今では麓からロープウェイ(全長2.6km、約7分)で行くことができます。
私も麓にくるまをとめてロープウエイで行きました。
山頂の駅から参道をしばらく歩くと五百羅漢像が立ち並んでいます。
そこをさらに進むと、境内に着きます。
広い境内には本堂、大師堂、護摩道、鐘楼などが建ち並び、杉や檜に囲まれています。
よくぞ、こんな山頂に立派なお寺を建てたものだとびっくりしたり感心したりです。
おたのみなす
本堂の脇にあるブロンズ製の茄子が「おたのみなす」です。
なすは、「成す」に通じ、また「親の教えとナスビの花は千に一つの無駄もない」という格言から、これに座って「お頼みなす」と願をかければ、願いが叶うとされています。
雲辺や
瀬戸の秋景
ほしいまま
(川端龍子、句碑)
石佛
濡佛
けふも秋雨
(種田山頭火、句碑)
第66番 巨鼇山 雲辺寺(きょごうざん うんぺんじ)
徳島県三好市池田町白地763-2
JR予讃線観音寺駅から約20km
高松自動車道・大野原ICから国道11号、県道8号を高松市方面へ。ロープウエイの看板に沿って。約15分。
御詠歌 はるばると雲のほとりの寺に来て 月日を今は麓にぞ見る
本尊/千手観世音菩薩 宗派/真言宗御室派 開基/弘法大師 宿坊/なし
次の第67番札所・大興寺まで約10km、山麓駅から車で約20分