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四国の霊場八十八ヵ所

讃岐の国・香川県の霊場

第83番 一宮寺(いちのみやじ)

第83番一宮寺仁王門

一宮寺は大宝年間(701~704年)義淵僧正が創建し、当時は大宝院と称し、法相宗のお寺でした。
後に、行基が訪れて堂宇を修築し、讃岐一宮の田村神社の別当寺となり、寺名も一宮寺と改めました。

大同年間(806~810年)に、弘法大師が四国を巡錫中、ここに留まり、聖観世音菩薩を刻み本尊として安置し、真言宗に改め四国霊場としました。

戦国時代には、長宗我部元親の兵火に遭い、焼失しましたが、後の住職や僧侶たちの尽力により再興を果たし、興隆を極めました。
延宝7年(1679年)、高松城主・松平頼重により、神仏が分離され田村神社から独立し完全な仏教寺院になりました。

田園地帯にある一宮寺の山門は、路地をはさんで、田村神社の鳥居と向かい合っています。

一宮寺本堂

薬師如来縁起
本堂前に薬師如来が祀られている小さな石の祠がありますが、こんな伝説があります。

昔、この近くにおタネばあさんといって、それはそれは意地の悪いおばあさんがいました。
ある日、近所の人から「この寺には地獄の釜の煮えたぎる音がする祠があって悪いことをした人が、この中に頭を入れると扉が閉まって抜けなくなる」というのを聞きました。

そこで、おタネばあさんは、「そんなことはない。ちょっとためしてみよう」と、恐る恐る頭を入れてみたのです。
すると、扉が閉まり、下の方からゴォーという地獄の音がしてきたのです。

あわてたおタネばあさんは頭を抜こうとしましたが、いくらやっても抜けません。
とうとう怖くなり涙を流しながら「今までのことは許してください。」と何回も頼んだのでした。
すると扉が開き、頭がすぅっと抜けました。

それからは、おタネばあさんは心を入れかえ、近所の人からも親しまれるようになったそうです。

自分で思いあたる人はくれぐれも祠に頭を入れないよう注意してくださいね。

一宮寺・薬師如来縁起祠
薬師如来縁起祠

第83番 神毫山 一宮寺(しんごうざん いちのみやじ)

香川県高松市一宮町607
琴平電鉄琴平線一宮駅から約700m
高松自動車道・高松西ICから県道12号を東へ。約10分。
御詠歌 讃岐一宮の御前に仰ぎきて 神の心を誰かしらいふ
本尊/聖観世音菩薩 宗派/真言宗御室派 開基/義淵僧正 宿坊/あり(要予約)
次の第84番札所・屋島寺まで約16.9km、車で約40分