四国の霊場八十八ヵ所
讃岐の国・香川県の霊場
第71番 弥谷寺(いやだにじ)
弥谷寺は、奈良時代、行基が神秘な山に心を打たれ、堂宇を建立したのが始まりといわれています。
当初は、弥谷山の頂から瀬戸内海のこちら側(四国)と向こう側(中国)の八国が望めたために蓮華山八国寺と称していました。
東の峰には阿弥陀如来、西の峰には釈迦如来を安置していました。
大同2年(807年)、弘法大師がこの山に入り修行していたとき、五柄の剣が空中から降ってきて、金剛蔵王権現のお告げを聞いたといいます。
そこで大師は山号を剣五山、寺号を弥谷寺と改め、本尊千手観世音菩薩を刻み、四国霊場としました。
近くの岸壁には、阿弥陀三尊など多くの仏が刻まれています。
これらも弘法大師が刻んだとされています。
岩壁に作られた現在の大師堂の奥の院は「獅子の岩窟」と呼ばれ、弘法大師が幼いの頃、修行した場所として伝わっています。
岩窟の中には、阿弥陀如来、弥勒像、大師像が安置されています。
弥谷寺は長い長い階段を上っていきます。
駐車場から仁王門まで370段、さらに本堂まで、170段もあります。
賽の河原
弥谷寺の山門までの参道は、「賽の河原」と呼ばれ、死霊が帰る場所といわれています。
今でも地元では、死人が出ると、死霊を背負う格好をしてここまで登り、下ろして帰る風習があるそうです。
第71番 剣五山 弥谷寺(けんござん いやだにじ)
香川県三豊市三野町大見乙70
JR予讃線みの駅から約4km
高松自動車道・さぬき豊中ICから国道11号、県道48号を三野町方面へ。約15分。
御詠歌 悪人と行き連れなんも弥谷寺 ただかりそめも良き友ぞよき
本尊/千手観世音菩薩 宗派/真言宗善通寺派 開基/行基 宿坊/なし
次の第72番札所・曼荼羅寺まで約4.4km、車で約10分