四国の霊場八十八ヵ所
讃岐の国・香川県の霊場
第80番 國分寺(こくぶんじ)
天平13年(741年)、聖武天皇(在位724~749年)は、諸国に国分寺を建立することを勅願しました。
その國分寺のひとつがこの讃岐の國分寺です。
聖武天皇の勅命を奉じた行基が本尊十一面千手観世音菩薩を安置し、開基しました。
後に弘法大師が巡錫して、本尊の破損した箇所を補修し、堂塔を増築して四国霊場に定めました。
金堂(本堂)は残っている礎石から奈良の唐招提寺とほぼ同形であると推測され、全国でも有数の國分寺であったということです。
その後、寺は荒廃しましたが、慶長4年(1599年)、藩主・松平氏の保護を受け再建されました。
國分寺の鐘楼の銅鐘は奈良時代の鋳造と推定され、香川県では最古の銅鐘といわれています。
大蛇伝説
香川県の安原淵には大蛇が棲んでいて人々に恐れられていました。
戸継八郎という人物がこの大蛇を退治することになりました。
八郎は、千手観音に「一矢が千の矢になるように」と祈願しました。
八郎が大蛇に向けて矢を射ると、大蛇は銅鍾をかぶり、香西の沖で死んだといいます。
銅鐘は引き揚げられ國分寺に納められたといいます。
國分寺は、讃岐國分寺跡として国の特別史跡に指定されている広々とした立派なお寺です。
仁王門を入ったところには、四国八十八ヶ所の石仏が並ぶミニ八十八ヶ所巡りがあります。
本尊千手観世音菩薩と本堂、銅鐘は国指定の重要文化財になっています。
第80番 白牛山 国分寺(はくぎゅうざん こくぶんじ)
香川県高松市国分寺町国分2065
JR予讃線国分寺駅から約500m
高松自動車道・高松西ICから県道12号を西へ。さらに県道33号を西へ。約15分。
御詠歌 國を分け野山をしのぎ寺々に まいれる人を助けましまぜ
本尊/十一面千手観世音菩薩 宗派/真言宗御室派 開基/行基 宿坊/なし
次の第81番札所・白峯寺まで約13.9km、車で約40分