四国の霊場八十八ヵ所
讃岐の国・香川県の霊場
第81番 白峯寺(しろみねじ)
白峯寺は、弘仁6年(815年)、この地を訪れた弘法大師が白峯山中に如意宝珠を埋め、閼伽井(神仏に供える水をくむ泉、井戸)を掘り、衆生済度を誓願し、堂宇を建立したのが始まりです。
後の貞観2年(860年)に智証大師が白峯大権現の神託を受け、瀬戸内海の流木で千手観世音菩薩を刻み、本尊とし安置しました。
長寛2年(1164年)、この地に流され46歳で悲運の生涯を終えた崇徳上皇は、ここで荼毘に付され、白峯寺の裏山(白峯御陵)に葬られました。
崇徳上皇の廟所は頓証寺殿といわれ、その門には後小松天皇(在位1382~1412年)が贈った額がかけられているため、勅額門と呼ばれています。
門前の欅の老樹は玉章木と名付けられています。
崇徳上皇の寂しい心中を察したホトトギスは、この欅の葉を口にくわえて声をこらして鳴いたといわれています。
白峯寺は、度重なる火災に遭いましたが、慶長4年(1599年)、高松藩主・生駒親正によって再建されました。
延宝7、8年(1679、1680年)に松平頼重が客殿や庫裏、護摩堂などを建て、積極的に寺の保護に努めました。
参道を登る途中、右手に二基の十三重石塔があります。
ひとつは崇徳上皇、ひとつは源頼朝の供養塔で共に国指定の重要文化財です。
白峯寺は、景勝地・五色台(紅、黄、青、白、黒の五色の峰をもつ)の白峯山にあります。
第81番 綾松山 白峯寺(りょうしょうざん しろみねじ)
香川県坂出市青海町2635
JR予讃線坂出駅から約6km
高松自動車道・坂出ICから県道33号、県道16号を五色台方面へ。約30分。
御詠歌 霜さむく露白妙の寺のうち 御名を称うる法の声々
本尊/千手観世音菩薩 宗派/真言宗御室派 開基/弘法大師・智証大師 宿坊/あり(要予約)
次の第82番札所・根香寺まで約8km、車で約15分