四国遍路の豆知識
四国八十八ヵ所のご本尊
ご本尊とは
ご本尊とは、その寺院の属する宗派で定められた礼拝の対象となる仏像とか曼陀羅、掛け軸などのことです。
本堂にまつられています。
お参りのあと、納経所で納経帳や判衣、掛け軸に寺のご本尊のご朱印をいただきますが、このとき寺のご本尊が描かれた御影(おすがた)もいただきます。
大日如来(だいにちにょらい) |
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真言宗の本尊です。 |
阿弥陀如来(あみだにょらい) |
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浄土宗や浄土真宗の本尊です。 第2番 極楽寺 第7番 十楽寺 第30番 善楽寺 第37番 岩本寺 |
釈迦如来(しゃかにょらい) |
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釈迦は、仏の中で歴史上、実在した人物であり、仏教の開祖でもあります。 |
涅槃釈迦如来(ねはんしゃかにょらい) |
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釈迦如来の涅槃(あらゆる煩悩が消滅し、苦しみを離れた安らぎの境地)の姿を表した像です。 四国霊場でこの如来を本尊としてまつっているのは、第9番 法輪寺のみです。 |
薬師如来(やくしにょらい) |
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薬師如来は、病気を治し安楽を得させる仏です。 第6番 安楽寺 第11番 藤井寺 第15番 国分寺 第18番 恩山寺 |
厄除薬師如来(やくよけやくしにょらい) |
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弘仁6年、弘法大師42歳の時、自他の厄除けを誓願し、一刀三礼して刻まれたのが、この厄除薬師如来です。 四国霊場で本尊として安置しているのは、第23番 薬王寺のみです。 |
七仏薬師如来(しちぶつやくしにょらい) |
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薬師如来の化身仏です。 四国霊場の中では唯一、第17番 井戸寺だけが本尊として安置しています。 |
大通智勝如来(だいつうちしょうにょらい) |
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釈迦如来第十六番目の弟子にあたります。 四国霊場において大通智勝如来を本尊としているのは、第55番 南光坊のみです。 |
聖観世音菩薩(しょうかんぜおんぼさつ) |
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観世音菩薩は別名、観自在菩薩ともいいます。 |
千手観世音菩薩(せんじゅかんぜおんぼさつ) |
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三十三に身を変えて人々を救うといわれているのが千手観世音菩薩です。 第8番 熊谷寺 第10番 切幡寺 第16番 観音寺 第29番 國分寺 |
三面千手観世音菩薩(さんめんせんじゅかんぜおんぼさつ) |
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観世音菩薩には、千手観世音菩薩や十一面観世音菩薩などたくさんの種類があります。 四国霊場では、第38番 金剛福寺のみが本尊として安置しています。 |
十一面観世音菩薩(じゅういちめんかんぜおんぼさつ) |
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十一面観世音菩薩とは、六観音(または七観音)のひとつで、十一の頭、もしくは顔を持つ仏のことです。 第13番 大日寺 第27番 神峯寺 第32番 禅師峰寺 第41番 龍光寺 |
十一面千手観世音菩薩(じゅういちめんせんじゅかんぜおんぼさつ) |
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三十三に身を変えて人々を救うといわれている千手観世音菩薩と十一の頭、もしくは顔を持つ十一面観世音菩薩がひとつになった仏です。 四国霊場では、第80番 國分寺のみが本尊として安置しています。 |
馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ) |
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観音が、馬頭の姿で現れた菩薩です。 四国霊場では、第70番 本山寺のみが本尊として安置しています。 |
地蔵菩薩(じぞうぼさつ) |
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「大地の母胎」「大地の蔵」という意味をもつ仏のことです。 |
延命地蔵菩薩(えんめいじぞうぼさつ) |
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心身の病を取り除き、長寿を与える仏です。 四国霊場では、第19番 立江寺 第25番 津照寺が本尊としています。第25番 津照寺にあるものは、航海中の土佐藩主・山内一豊公を暴風雨から救ったといわれており、海上安全の守護仏(揖取地蔵菩薩)として慕われています。 |
勝軍地蔵菩薩(しょうぐんじぞうぼさつ) |
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延命地蔵菩薩の胎内に納められている小さな仏(一寸八分、約5センチ)です。 四国霊場でこの勝軍地蔵菩薩を本尊としているのは、第5番 地蔵寺のみです。 |
虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ) |
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十三仏(死者の中陰、年忌法要を努めるときの十三仏)のひとつです。 |
弥勒菩薩(みろくぼさつ) |
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釈迦入滅から五十六億七千万年後にこの世に下生し衆生を導くという未来仏です。 四国霊場で弥勒菩薩を本尊にしているのは、第14番 常楽寺のみです。 |
文殊菩薩(もんじゅぼさつ) |
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「三人寄れば文殊の知恵」という諺でよく知られていますが、これは、釈迦仏の脇士で、知恵を表す仏です。 四国霊場で文殊菩薩を本尊にしているのは、第31番 竹林寺のみです。 |
不動明王(ふどうみょうおう) |
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通常「お不動さま」と呼ばれ、親しまれている仏です。 |
波切不動明王(なみきりふどうみょうおう) |
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弘法大師が唐から船で帰国の途中、嵐に遭い難破しそうになった時、不動明王が現れ、手にした宝剣で荒波を切り開き、何を救ったという言い伝えがあります。 四国霊場で波切不動明王を本尊にしているのは、第36番 青龍寺のみです。 |
毘沙聞天(びしゃもんてん) |
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よろい・かぶとをつけ、手にはほこを持ち、怒りの姿を表し、北方を守る仏です。 四国霊場では、この毘沙聞天を本尊にしているのは、第63番 吉祥寺で、「米持ち大権現」とも呼ばれ、農家での信仰が篤いそうです。 |
[注意] 第37番 岩本寺は、不動明王、観世音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、助贈菩薩の5体を本尊として祀っています。 |